2014年7月27日日曜日

advantest R6452修理(バックアップ電池交換)

advantest R6452修理

この記事の参考は自己責任でお願いします。私は一切の責任を取りません。

 バッテリーの放電特性測定でADVANTESTのR6441を電圧、電流測定用に2台使っていたのだが
その後、色々と調べてたらR6452は測定chが2つがあり1台で済むため良いな~と思っていた。
 測定器2台だとPC接続にシリアルポートが2つ必要で1台で済めばPCからのコントロールもだいぶ楽になる。
 オークションでも安いものが時々出ているので手に入れる事ができた。
 早速、PCでコントロールしてみると測定データがAch、Bchと同時に出ている事が判明。
 PCコントロール用のプログラムを作成することにした。

 そして本日もコントロールプログラムの検証にPCとR6452を接続し電源を入れるが動作しない。
画面表示が出ないので完璧に故障したようだ。
では修理をしてみよう。

R6452の裏蓋を外すとケースを外す事ができる。
1.以下調査結果。
 ・AC電源入力を測定する
  AC100Vで問題なし。
 ・電源部トランス出力を測定する。
  AC12Vで問題なし?(定格電圧が分からないので?マーク)
 ・機器内部外観確認
  異常あり。メイン基板のバックアップ電池から液漏れしている

どうやらメイン基板のバックアップ電池から液漏が発生し、電池不良もしくは漏れた液により基板のショートもしくは部品破損となったようだ。

2.修理
(1)不良部品の取外し
   バックアップ電池は基板に直付けのため、ハンダ吸取機を使って取り外す。
    電池を外した後。茶色の物質が液漏れしたもの。


(2)漏れた液の除去
   液漏れの物質は大抵強アルカリや酸の可能性があるため慎重に除去する。
   綿棒でプリントパターンに沿って拭う。固着している物が有るため根気良く綿棒で除去する。
   取れない固着は精密ドライバーの先で基板に傷をつけないよう丁寧に除去した。
   最後にアルコール成分の清掃剤で更に清掃を行う。
   幸い、プリントパターンまで腐食していない様なので一安心。


(3)試験通電
   不良部品がバックアップ用の電池であり装置自体の動作に影響がある部品では無いと思わ
      れる。バックアップ用の電池は測定条件(レンジ、モード)の保存用と思われた。
   電源は入るだろうと考え、試験通電を行う。もし、部品まで壊れていればこの時点で修理不可
      能となるが、上手く立ち上がってくれた。
   ただし、電源を切ると測定条件がクリアされ変なモードで立ち上がる。モードやレンジを合わせ
     れば使えるのだが、再度電源を切り入りすると変なモードになってしまう。


(4)バックアップ電池交換
   (3)の現象を回避するにはバックアップ電池を取り付ければよいのだが使用している電池は
       ER-3と言うリチュウム電池で新品で買うと高い。(1,300円位)
   手持ちに東芝のリチューム電池が有ったので取り付ける。形状が合わないので装置内の適
       当な場所に固定した。
   電源を切り入りしても前の測定条件を保持してくれるようになった。


 以上で修理完了となったが、バックアップ電池以外に必須な手順があることが判明した。
 このR6452はBchの測定に設定が必要なのだが、変なモードで立ち上がった場合Bchの設定がキーを受け付けなくなってしまった。
 色々と悩んだが、PCからコントロールし測定モードを設定すると正常になった。もしPCからコントロールする方法を知っていなければ2chで測定は不可能となっていただろう。(マニュアルに対応方法の記載があるかもしれないが)

 とりあえず、正常に動作する事が判り一安心である。
 この測定器はバックアップ電池が使われているので古いものは液漏れが心配である。
 

2014年7月20日日曜日

測定器の整備(ML424A_anritsu)

最近職場が変わり測定器に触れる機会が少なくなってしまった。
そうなると、自分の技能が落ちてしまうような気がしてしまう。
自己の技術保存ではないが、小物の自作もあり通信回線関係の測定器を揃えることにした。
もっとも、校正された測定器は高価であり自分のお小遣い程度で手に入る物はオークションで予算範囲での落札出来るものとなる。

オークションで手に入る物はホトンドがジャンク(扱い)である。
まともに動く事は期待できないと思っていたが、実際に手にするとだいたいが動作するものであり、整備・校正すればマダマダ使えそうである。

今回整備する物はanritsuのML424Aと言うレベルメータである。

手に入れた物はシールがベタベタ貼られ汚れた状態であった。
動作確認したところ正常に動いているようである。
ただ汚い。BNCコネクタは黒くさび、レベル測定用のツマミは黄色く変色していた。

◆清掃開始
 シールは糊が残らないよう慎重にはがす。
  実際は糊が残るが、テープやウイルシャットで綺麗に剥がれる。
  このウイルシャットは驚くほど糊類が綺麗に取れる。100均で手に入れたが、思わず5本ストックした。

  汚れを綺麗に落とし、第一弾終了

◆測定入力端子の清掃
  通常は測定器の入・出力端子は銀メッキのコネクタが使用されている。
(金メッキも有るがもっと高価な測定器で手が出ない)
 銀メッキは長年の使用で黒く変色してくる。この黒いのは錆では無く、銀が硫化したものであり、簡単には取れない。まあ、ワイヤーブラシで磨けば落ちるが、銀も一緒に落ちてしまう。

色々と考えたが電気接点復活材のの「接点ブライト」(サンハヤト)を使う事にした。
説明によると液体で硫化を除去する様なので、BNCコネクタの内側も塗ることで硫化物の除去ができそうである。



黒ずんだBNCコネクタに塗って2分、ティッシュで拭ったら黒い物が付着してきた。結構落ちるようだ。

何度か塗っては拭き取りを繰り返したらかなり綺麗になった。
布片と綿棒を使って内側も綺麗にした。これは良い!!!


◆色の還元
 プラスチック類は経年で黄色く変色して来る。この測定器もレベル設定のダイヤルが黄色くなっている。う~ん、とても目立つ!
 ダイヤルツマミの裏側は変色が少なく元の色と思われる。表と裏を比較したが表側は黄ばんで茶色くなっている。飴色で汚いと感じました。

思い切って色の還元を行った。
使用するものは漂白剤「ワイドハイターEX」。ネットで色々と紹介されているが、これは効きます。

①ダイヤルを外し②容器に入れワイドハイターEXを塗り③直射日光に当てる だけ。
 塗っただけでも色が戻り始めたのですが、容器にツマミがひたひたとなるまでワイドハイターEX入れ付け置きしました。
 銀紙は、日陰部分にも光が当たるよう配置した反射板です。


7月下旬の直射日光で(時々曇り&雨)一日外に置くだけで色が綺麗に戻った。


ダイヤルを戻したら、使用感は有るがトテモ綺麗な一品に変身しました。


押しボタンやサイドのプラスチック部にも「ワイドハイターEX」を塗り屋外に置いていたが、思ったより色が還元したようである。押しボタン・サイド部は測定器を分解しないと外れないので嬉しいですね。