2015年4月11日土曜日

ツートーンジェネレーターの製作

いよいよ本格的に無線機の送信回路の調整を行う事にした。
TS820Vの送信が調子悪いのと、今までの送信調整はパワーだけ確認し、電波の質については後回ししていたのであった。
なぜかと言うと、ツートーンジェネレータを持っていなかったから。別に低周波発信器が2台あれば問題なく調整できたのだが、なんか面倒だった。
色々と回路を考えていて、開局当時作ったトランジスタ式が良いかオペアンプを使った物が良いか思案していたが、正弦波の調整は難しいので、専用のICを使う事にした。選んだのはXR2206と言うファンクションジェネレータIC。

このICは今から30年以上前に設計されたものですが、今も現役で売られている。
三角波と正弦波の調整やら色々と微調整が出来たはずである。単一信号を発生するだけの用途なので、とても贅沢な物となった。

早速作成してみた。
けっこう値が張るICなので16PINソケットを使う事にした。他は半固定VRやらコンデンサが必要なのだが手持ちの物を活用した。

【同様な2回路を実装した基板。周波数は700Hzと1,400Hzとした】

秋月で同様な信号発生器が売っているので回路図が欲しいかたは一見の価値ありである。
秋月の回路図が周波数の計算が間違っているので要注意ですよ(「+」が抜けているのかな?)

【ツートーンを発生している状態】



ケースに収めないとノイズが混入しそうなので、昔作った矩形波発生器をばらしてケースを流用してみた。


おまけ
TS820Vのチューニングダイヤルのアルミ部分が欠損し格好が悪いので手を加えて見た。

行ったのはアルミのシートを使った簡単な化粧。アルミシートはキッチンの油汚れ防護である。

これを丸くカットして張るだけ。
丸くカットするには、カッターの刃がついたコンパスを使用する(ホームセンターか100均で手に入る)

張って見たが、思ったよりショボイ。

本物に比べると今一ですね。
【本物】

機能的には問題ないので我慢するか、いっその事別の色にするかな。
それともヤフオクで部品を調達するか・・・

2015年4月6日月曜日

TS820Vの修理(その3)

周波数表示が不安定で消灯してしまう症状の修理を試みた。

回路図とにらめっこして、不良と思われるポイントを3っつに絞った。
想定は以下の通り。
1.カウンター・クロックの1MHz発振停止
2.カウンターのラッチ回路不良
3.消灯コントロール回路の不良、もしくはPLLユニット回路からの誤信号

ユニットの試験を行うには、電源だけでなくバンド毎の発振回路も必要となるので本体の信号線を活用して引き出してみた。

ディスプレイユニットも取り外しユニットに接続することで、本体下側のコネクタを接続することが出来た。なお、ケースのアースはミノムシクリップコードで接続した。

電源を入れるとチャンと周波数表示が出てくれて上手くいった。
最初は正常に動作するも、時間が経過すると周波数表示が乱れ、フラッシャーのごとく数字が流れる状況が再現された。

試験のため、各テストポイント(TP1~TP5)の正常時波形を確認しておき、不良時の波形と見比べたら、一番最初のTP1で波形が乱れることが判明。TP1は1MHzの発振回路から3SK22(周波数変換)への波形を見られるが、観測波形は飛んだりして最終的には停止した。


これは、半田付けの不良かと思い、関連する部分の再半田付けを実施。結果は復旧せず。
部品のたたき試験を行うと再現するので、部品の半田付不良と思ったが違うようだ。

実は、このユニットはネットで入手したサービスマニュアルと回路が違っていた。回路図ではTTL-ICのNAND回路を使った発振回路であったが、実物はトランジスタ2個(2SC460、2SA733)による発振回路であった。

 このトランジスタ2個を交換し、状況を確認したら安定して発振してくれた。

ユニットを組み立て、本体へ戻してエージングしたが状況は再現しない。
これで周波数表示不良は回復したと思われる。

さて次は送信部の修理をしよう。(1W位しか出力しない)

2015年4月5日日曜日

TS820Vの修理(その2)

 周波数表示が出ず、受信もしない症状だったのでVFOの不良と思い、出力波形を測定したところ、やはり出力が無かった。
 そこでVFOを分解しようと思ったのだが、その前に電源がちゃんと来ているか確認することに。
VFOユニットには電源コネクタがあるので、電圧を測ると片側に電圧が無かった。+9Vのはずなのだが、電圧の有る方も5.6Vしかない。
 回路図で+9Vラインをたどると、外部コネクタに向かっている。外部に供給するためと思っていたが、何処からも電源が来る配線が無い。そこでよくよく確認したら、9ピンソケットにショートプラグを刺さないと電源が来ない事が判った。
 前にTS820Xを修理していたが、そちらは直接ジャンパーを取っており、何もしなくても良かったのであった。

半日以上時間を掛けてしまったが、無事に受信が出来るようになった。

 HF無線機の受信調整にはSGを使っていたが、入れ替えが面倒なのでMT8820Aを使ってみた。カタログ上では30MHz~となっていたが、もっと低い周波数から使えるとの情報も有ったので試して見た。
 なんと1.8MHzでも使えるようだ。スペアナ機能も同様に使える。これは知らなかった。

 試験結果、受信感度は全バンド入力32dBμでSメータが9であり、特に問題は無いと思われる。
このままでも良いのだが、後でトリマパックなど微調整を行う。


 しばらく時間が経過したら周波数表示が可笑しくなってきた。
最初は周波数表示が100KHz単位でふら付き、その後は表示が流れるようにフリッカーする。
最後は表示が出なくなった。
 最初は、周波数がふら付き、明るく表示する桁がランダムに出る。

一桁だけ表示し他は消灯


周波数カウンターユニット本体から外した。

分解し中の状態を点検したら唖然とした。
ハンダ付けがボロボロなのだ。ハンダ槽を使ったのかも知れないが、とにかく汚い。
フラックスも多量に塗布されていて、ハンダ付けをし直すと、スルーホールに入り込んだフラックスが気化しガスがハンダを通過し穴が開くのだ。

最初からそんな状態のようで、基板の半田付け各所に細かな穴が開いている。ハンダの乗りが悪く接触不良になっている様に見える場所もあった。


とりあえず電解コンデンサと半田付けをしなおした。直るとは期待していなかったが、状況が再発し復旧していなかった。

無線機から外して確認したいのだが、このカウンターは各モードで周波数表示が変わらないよう細工を施している回路があるので、とても複雑である。簡単に外して確認は出来ないようだ。
時間経過後に動作不良となるのは多分トランジスタかICの温度特性不良があるのだろう。

発生状況をよく観察し回路図と照らし合わせて部品を特定しなければ。

本日はこれまで。


TS700Sの修理(その4)

 昨日接点洗浄剤(RIPE)をモードスイッチにタップリと吹きかけ一晩様子をみたら、なんと一部モードが使用できるようになった(AMモード)
 そこで、更にモード切替スイッチを良く見て、接点部分に集中的に吹きかけたところ復活してしまった。
 回路図上も9Vを各モードで分配するのだが、そこのロータリースイッチの接触不良だったらしい。


 そんなわけで、今、悪いところは照明のみなので、麦球をLED化した。
 秋月から各種LEDを買って試して見ました。
 1.3mmφ高輝度ウオームホワイト
 2.3mmφウオームホワイト
 3.5mmφ高輝度ウオームホワイト
 4.5mmφ高輝度オレンジ
 
 点灯試験をしたら3mmφウオームホワイトLEDが麦玉に一番近い事が判りました。
 電流は20mAが定格なのですが、10mAでも十分に照度が得られるようです。
 
【高輝度LEDに乳白色のキャップを付け散光する】

LEDと交換


取替えるため、配線を切断し極性を確認したら12Vが印加されていた。回路図では+5Vなのでビックリ。
直列に入れる抵抗値を変えて(470Ω⇒1KΩ)取替えを実施した。

全部交換するとこんな塩梅です。
復活かな~

【修理前】

【修理後】

麦玉をLEDに交換しましたが、少し明るい感じがします。イメージではもっとオレンジが入っていたと思うので再現性を考えると色調整したいのですが、今のほうが見やすく使い易いのでこのままとしよう。

受信は各モードで正常に出来るようなので、とりあえずは此処までにします。
送信はSSB調整用にツートンジェネレーターを製作するので、その後とします。
【しおり】

2015年4月4日土曜日

TS820Vの修理

TS820Vをヤフオクで発見。
通電確認していないので完全ジャンクとの事。
このような物は正常に動くか動かないかは博打のような物だが、
私の場合は
正常に動く⇒メンテナンスできる
動かない⇒修理ができる。
どちらに転んでも問題なし。一番の問題は値段ですね。
写真で見る限りでは「おもしろそう」。色々と手を入れられそうである。
上限価格を決めて後は見ない。その後、落札通知が届いたが金額は上限の-500円でした。

物が届いて普段は部屋で開梱するのだが、今回は屋外で行った。
理由は通電確認品は一旦電源を入れているので爆発・発火のリスクは少ないが、通電確認していない物は倉庫から直行なんて物も有るそうだから。
特に真空管式の無線機なので高電圧が印加されており汚れでリークしたら回路にダメージを受ける。電解コンデンサは爆発する事もあるそうだ。
また、焼けたり焦げたりした部分が有るか目視確認も必要ですね。清掃し綺麗にしてからメンテ部屋へ入れましょう。

商品は綺麗に梱包してくれていた。
開梱し清掃

装置内部の埃はベビーコンプレッサーを使用し圧縮空気で吹き飛ばす事が有効です。
空気を圧縮すると水気が発生し一緒に噴出しますが、塗装ではないので気にしていません。


内部に埃が沢山入って体積しています。
デジタル表示ユニットが実装されていました。

TS820Vなのにファイナルが2本実装されていました。(100W改造済み?)

埃が一杯ある中で、豆の空みたいなものが数個あった。なんかネットで見た記憶があり嫌な予感がして確認したら「ゴキブリの卵胞」でした。
もちろん中は空なので本体は居ないのですが、どうやら巣になっていたようです。
見つけただけで5~6個ありましたよ。
徹底的に清掃することにしました。
外で清掃して良かったと心から思いました。


ファイナルも埃まみれでしたので清掃しました。

古い機械にありがちなのが下側ケースの足を取り付けた部分が湾曲していることです。
移動運用時の運搬やらで無理な力がかかったのでしょう。
そういう部分は、材木で叩き整形します。
下に当て木を敷き新聞紙で養生。上側は細い木を垂直に当てゲンノウで上部を叩きます。
直接ゲンノウで叩くと傷や細かな曲がりが出て綺麗に仕上がりません。

S字に曲がっていたのですがフラットになりました。

高圧部は念入りに埃を払います。
基板や部品の清掃は刷毛を使うと細かなところまで行えますし、部品を目視しながら行うので焼損・破損している所が見つけやすいです。
刷毛で掃いてからコンプレッサーで吹き飛ばします。
そういえば、入社したころの装置の点検は埃取りまでやったな~


綺麗になり、致命的なダメージも見受けられなかったので部屋で動作確認しました。
結果は、周波数表示しません。VFOやバンド切替スイッチ等を動かしましたが駄目ですね。

最初は電源の出力電圧を確認してからですが、周波数表示が出ないのでVFOの辺りから修理をしていきます。













2015年4月3日金曜日

TS700Sの修理(その3)

【本ページを参考に何かする場合は自己責任でお願いします。責任は取りません】

 周波数を動かすためVFOのダイヤルを回すと周波数表示が消えたり数値が飛んだりするので、他の確認が行い難い。
 と言うわけで最初にVFOの修理を行った。
 
 周波数表示する良い所でダイヤルを動かさないと動作しているわけだからVFOの静的な部分の故障ではない。 とすれば、稼動部であるバリコンの不良が伺われる。
 色々とダイヤルを動かすと、ある所で顕著に症状が発生する。まさにバリコンの不良である。

 VFOはユニットとなっており取り外すには難関であると思われたが、サービスマニュアルに有った分解手順を見たら、簡単にアプローチ出来るように作りこんでいた。昔の設計者はメンテナンスすることも考えて設計してくれている。これは現代の機器でも学ぶべきと思った。

 VFOへのアプローチは次の通り。無線機前面パネルにVFOが固定されているので、前面パネル左右の側盤にネジ2個ずつで固定されている。それを外すと前面パネルがおじぎするように前に倒れる。

 VFOユニットを外す事が出来るが、外してしまうと後の組み立てが大変なので、VFOのアルミカバーのみ取り外した。
 VFO後ろの電源コネクタとピンジャックを外し、カバー固定ナットを外す。更に、上下にあるネジ2本を外すとカバーが外れる。


バリコンを観察するとアース金具の辺りが浮いている様な感じであった。何かカスが付いている。
その辺を手直ししてカバーを元に戻した。

 組立ては先ほどの逆の手順で簡単に復旧。メンテナンスを考えた設計なので、ドライバーとレンチで簡単に作業ができた。

 電源を入れて動作確認すると、VFOの周波数飛びや発振停止は無くなり動作良好となった。
これでVFOの修理は終了である。

 次に、FMモード以外が受信できない状況であるが、モードスイッチを切り替えるとFMでも受信できない状態になる場合があった。

 とりあえず、接点洗浄剤(REPE)をタップリと吹きかけてからスイッチを何度も回転させ様子を見ている。(多分気休めかな)

今晩は回路図を眺めながら明日の作戦練ろう。本日はこれまで!

TS700Sの修理(その2)

【本ページを参考に何かする場合は自己責任でお願いします。責任は取りません】
 周波数表示が出ないTS700S、先日までに回路図を確認しディスプレイのラッチ回路が動作していないと推測した。

ラッチ回路は局発回路の動作をモニターし信号が無い場合はディスプレイを消灯している。

 ディスプレイ回路の表示コントロール用の信号を確認すると、常時+5Vが来ている。
局発のクリスタル(固定CH)は実装していないのでCHを選択した場合に+5V,VFO選択で0V近くになるはずである。
 試しに基板のコネクタでPL(信号線)をアースに落としたら表示することが判明した。

 局発モニター回路の不良と断定できたので信号状態を確認。


Q8トランジスタ2SC733のベースにはVFO選択時150mV程度来ていたが、あまりにも低すぎる。前段のQ6トランジスター2SC460のゲイン不足かなとも思ったが、両方交換することとした。
 どちらも製造中止なので汎用の2SC1815に交換した。外したトランジスタのテスト結果は、Q8は良好、Q6は増幅度が低く劣化していた。

 写真はトランジスタ交換中のも。基板の端子に配線をラッピングしているので外さないで交換を実施。綺麗な交換にはハンダ吸取り器が必須です。


 トランジスタを2個とも交換しTS700Sの動作確認を行った。(ドキドキ)正常に表示されるようになった。この瞬間がたまりません
【周波数表示が出ました】

表示が出たので更に動作確認を行ったら、次の不良が判明した。
1.VFOの出力が無くなる場合がある。(ガリが有るような感じ)
2.FMモード以外で受信できない。
3.ランプが3個切れている。

さあ次のステージへ向かおう。(ロールプレイングゲームをしているみたい)