2015年6月21日日曜日

終端型電力計(TP2503)の修理2

壊れていることが判明した終端型電力計の原因は終端抵抗器が不良のためだったが、代替品を探し手配をしていた。
TP2503はフジソク製。純正の使用部品では無いが、外形も似ているしケースに収まりそうだったのでTAISEI製のTDR3060S50Jと言う高周波抵抗器をお願いしていた。

TAISEIは製造メーカで小売はしていないらしく、代理店経由で注文ができた。代理店は梅沢無線電機(株)さまが対応してくれました。ネット販売の質問から連絡を取った次第です。
小取引でしかも怪しい個人購入でしたが、とても丁寧に対応していただき感謝感謝であります。

手元に届いた部品は厳重な梱包に安置されておりました。
早速中を見ると、修理部品と同じような形と色です。

現在付いている壊れた部品と比較してもホトンド同じような・・


外して比較すると。同一でしょうか?
上側が壊れている部品です。構造が見たいのでカバーの樹脂を排除していますが、取り付け穴の位置が同じですね。放熱のアルミが新品は少し薄いようです。

交換しました。前とまったく同じに見えます。交換は固定ネジを2本外し同軸ケーブルの半田付けを外せば終わり。シリコングリスを裏側にタップリと塗っています。

この装置の放熱は2分割の放熱板を組み合わせていますが、シリコングリスの量が少なく十分な熱交換が行われていたか怪しいですね。素子が壊れていたことを考えると、放熱不足による破壊かなと思われます。

シリコングリスはタップリと塗って組立てました。

グリスが少ない
タップリ塗りました

組立て後、メータの校正(調整)を行いました。
145MHzで10Wを入力し10W表示となるよう内部VRを調整します。同様に5Wを入力しLOWレンジを合わせました。
FT726に30dBmATTを接続し、MT8820Aで10Wとなるようにドライブを調整。

145MHzのSWRを測定。1.2でした。

修理完了しました。


2015年6月12日金曜日

終端型電力計の修理

前に入手したフジソクの終端型電力計は出力指示がおかしく、いくら調整しても60%位である。
50μAのメーター不良と思い電流を流して測定したが結果異常なし。

検波ダイオードの劣化かと思い、メータ回路への終端抵抗器出力を測定しら145MHz10Wで0dBmだったので、発振器使用しメータ回路へ接続し以後試験した。
直列に入っている抵抗を減らして見たが思うほど指示が触れない。

回路図は手に入らないので、実物のメーター回路をトレースし回路図を作成し検討したところ、入力0dBmでの指示は現在のメーター位置で良いことが判明。
そうすると終端抵抗の出力が低い事となる。テスターで測定したら抵抗値が22Ωしか無い。
インピーダンスがおかしいのでVSWRメータを無線機~終端抵抗計の間に入れ測定したら「2.3」の指示。約40%の電力が反射されている。指示が低いのも当たり前であった。

終端型電力計を分解し状況を確認したところ、抵抗器は8mm角位のモジュールであった。
今まで見たことが無い形なのでネットで検索したら同様の形の物を発見した。
高周波抵抗器と言うものでDC~2.4GHzまで使えるものだった。タンタルを使用したもので特性がものすごく良いらしい。

代替品の部品製造メーカは判明したのだが、個人相手に販売してくれるのか不明である。
通常、部品製造メーカの販売相手は機器製造メーカとか企業間の取引であり、個人販売はしてくれない。
駄目元で、製造メーカと販売代理店に連絡を取ったが製造メーカからの返信は無かった。販売代理店のほうからは時間がかかったが返信があった。
結果、なんと、販売してくれるとのこと。個人相手でしかも1個しか購入しないのに対応していただき大感激であった。
最初の連絡で特殊な部品で確認に時間が掛かるとの事だったので、たぶん、メーカ工場のラインを生かして製造するのであれば、購入単位が1000個くらい出なければ不可能と思い諦めていた。
念のために、もし入手可能であれば連絡をいただく事としていたので嬉しさもひとしおである。
 価格も思っていた程高く無く早速手配していただいた。
 無事に直ったら、メーカ名などを記載します。

 もし修理が完了したら、DC~2.4GHz60Wの終端型抵抗器となる。ものすごいスペックである。
検波回路のダイオードも高周波用ショットキーバリアダイオードに交換するので2.4Gまで対応できると思われる。