2016年10月29日土曜日

スカイセンサーICF-5900の修理

受信性能は復活したICF-5900、受信感度や安定度は抜群のもの、ライトのスイッチが欠損している。
やはり見た目が悪いのでライトスイッチを作る事にした。

スイッチん材質はブラスチックかポリプロピレンで黄色いもの。ポリプロピレンはカッターで切れ硬さも有るので、ワンオフで作るのには最適。



早速スイッチの設計を行った。
まずは現状の寸法を測る。測るにはノギスを使用した。これは100均で買った物と精度の高い金属製の両方を使用。


サイズを測りピッタリと合うスイッチボタンを製作。スイッチの電極自体は内蔵基板に実装されているからスイッチ電極を押すためのユニットを製作した。


スイッチボタンに使うものは「ポンポン肩たたき」と言うDAISO制で厚みが丁度4mmだった。

図面どおりにカッターナイフ、ヤスリで削り出した。


出来上がった物を本体のライトスイッチ跡に入れ正常に動作することを確認。
スイッチボタンには返しを付け抜けてこないようにしている


出来上がりは本物と遜色無く出来ていると思う(自我自賛)

2016年10月26日水曜日

スカイセンサーICF5900の修理(その3)

 だいたいの修理が完了していたが、バンド切替スイッチの接触が今一の様でSW1で受信していると「ガリッ」と音がする。また、切替時に無音となる場合がある。ついでにボリュームで音量調節すると「カリカリ」音がでる。
 いづれも接点の接触不良の様なので直すこととした。部品の接触不良は本来であれば部品交換するのが一番なのだが、古い機械なので部品が手に入りません。
 そこで活躍するのが接点洗浄剤(復活剤)なのだが、市販品には沢山選択肢がある。色々と試した結果、私は「RIPE」を使っている。フロン系なのだが洗浄剤は蒸発して接点に残る事が無いし、乾く時間も早く、乾く前の通電による破損リスクも少ない。

○バンドスイッチの洗浄
 バンド切替スイッチはとても長い作りになっていて洗浄剤がスイッチの接点まで簡単に届かない。
 このため、洗浄のコツは5900の基板を立てた状態からバンドスイッチが垂直になるよう横にしてRIPEをスイッチ端からゆっくりと流し込むことだ。少量を何回も流し込み、バンド切替を何度も行う。
 片方向が終わったら、もう一方も行う。私のはこれで接点が復活し安定に受信できるようになった。
【こんな感じでスイッチの端から吹き込み、下にRIPEが流れるようにする】

 スイッチを基板から外して分解清掃し復活させる事も可能だが、そこまで5900を分解するのは手間と時間が必要です。戻すのも大変なので簡単に終わるRIPEはお勧めです。

○音量ボリュームの洗浄
  ボリューム端子の所に若干開いている所があるので、そこからRIPEを吹き込みボリュームを何度も回して接触不良部を洗浄します。


たったこれだけの作業なので1時間もかかりませんでした。


2016年10月24日月曜日

スカイセンサーICF5900の修理・調整(その2)

先日、ご近所のスカイセンサーICF5900を整備・修理して、その受信感度や音質にほれ込んで
しまい、ヤフオクでとうとう落札してしまいました。

手に入れた物はアンテナと照明スイッチが無くサブダイヤルも固着している状況でしたが受信は正常に出来るようです。

最初にアンテナの状況を確認すると、ロッドアンテナの根元は本体内に落下していてアンテナの本体はネジが外れ無くなっている状況です。


ロッドアンテナは直径が8mmで長さが135mmですが、直径6mmの物しか無かったので使ってみました。

アンテナは基部と2.6mmのネジで繋がっています。これも、近所のお店で買い求めました。
Eセットと言う物です。

この状態ではアンテナを本体に収めた時にガタツキカッコウがよくありません。
何とかアンテナが無いか探したところ、100均の工具に直径8mmのロッドが使われてたので、これを流用できます。今回は、最下部も8mmの所を6mmのアンテナに被せガタツキを抑えています。

中央のサブダイヤルですが固着していてホトンド回りません。グリスの固着が酷く、プライヤーで回してやっと動く程度でした。

最初、中央ダイヤル部の減速機構を外すため色々と調べましたが、外すには基板からプラスチックユニットを外さなければいけない様です。
配線を外さなければいけないので、かなりの手間がかかりますが意を決して分解することにしました。

分解はサービスマニュアルを参考に行いましたが、途中でアイデアが閃き実行することに。

サブダイヤルのグリス固着は表面近くと考え、回転部の隙間に潤滑油をほんの少し付けて外軸をプライヤーでゆっくりと何回も少し動かすと固着が段々と緩んできました。復活です。直ぐに余分な潤滑油を拭き取り、緩くなり過ぎる事を防ぎます。

ダイヤルのフイルムユニットを外したのですが戻すのが大変でした。

物理的に戻すのは簡単なのですが、周波数表示がずれます。
チューニングダイヤルを半時計方向に回しきり、表示ユニットのフィルムを「0」に合わせて戻してからマーカーで6MHzを受信し表示と差を確認します。
ユニットと本体はギアで繋がっているのですが、ギアの歯車一つ分が目盛り2個分の様で、私は一目盛りずらしたいのですが、調整が出来ないのです。
ギアユニットに赤いスペーサーが有り、そこで微調整できる様なので根気良く一目盛りズラス様に調整しピッタリとなりました。

最後にSGの6MHz信号をメインダイヤルを使って受信しておき、6MHzをマーカに切替えたときにピッタリ受信するよう、サブダイヤルを調整します。この状態がサブダイヤルの「0」点なのでマジック等で軸に印を付けましょう。
本当はサブダイヤルを中心(0)にして第二局発を調整するのでしょうが、面倒なのでサブダイヤルの位置で合わせてしまうのです。私の場合は20kHzズレテいますが使う分に問題はありません。


受信周波数の調整も完了したので調整完了です。
本当は一部のトランジスタを交換したいのですが手元に無くヤフオクで手配中です。

2016年10月18日火曜日

炊飯器の電池交換/TIGER JIO-C

【自分で修理を推奨するものではありません。参考にする場合は自己責任で実施してください】
昨日、夕飯時にカミサンから「おかあさんが炊飯器のコンセントを抜いていた。コンセントを抜くと時計が消えてしまうので、ずっとコンセントに差し込んでいるんだ」と言われた。
もう10年近く使っていて、だいぶ古くなっていたので「買い換える?」と聞いたら「まだ使えるから良い!」との返事。

「じゃあ修理するよ」と話て部品を手配した。
炊飯器等の時計は電源バックアップ用のリチューム電池が有って電池の消耗により時計が初期化されてしまうのですね。
炊飯器は普段ごはんを保温しているので分解して電池の確認は出来ないので家電で良く使われている3V系リチューム電池を秋月に手配。具体的にはCR2032と電池ケースです。
電池ケースは50円、CR2032は5個で200円でした。

部品が届き炊飯器の分解開始。
分解の状況をデジカメで撮影していると元に戻すとき確実に再組立出来ます。

炊飯器は底部のネジ4本を外すと底蓋が外れ内部にアプローチできます。



バックアップ電池は制御基板に有るはずなので、良く観察すると前面の基板に有りました。

基板を外すのには取付状況を良く観察し、無理なく外れる方法を考えます。
基板を押さえるユニットはネジ4本を外すと取り外す事が出来ました。

基板に接続される配線はコネクタを外すと簡単に外れます。


基板に取り付けられたバックアップ電池はCR2450と言う660mAhの大容量でした。CR2032は220mAhなので1/3の容量しか有りませんが2年は持つでしょう。


電池は基板に半田付けされています。私はハンダ吸取器で半田を除去して電池を外し電池ケースを取付ました。
【ハンダ付け状況】

【ハンダ吸取器】

【電池外し後】

電池ケースの端子は電池とピッタリのサイズで特段加工は不要です。

電池ケース化したので電池交換は簡単にできます。電池の容量が少ない事は特に問題にならないでしょう。
そもそも炊飯器自体は後2年持つかな?

電池ケースに電池を入れるとタイマー表示は出て「0:00」が点滅しています。


基板類を元に戻して炊飯器を組立て作業終了でした。
【時計の時刻を合わせました】

所要時間は観察や方法を考えた時間も含み1時間です。
CR2450にしても良かったのですが電池単体の値段も高いのでCR2032でもOKとしました。
これでカミサンからの評価は少し上がったかな???




2016年10月16日日曜日

スカイセンサーICF5900の整備(修理)

ご近所さんからSONY製ラジオ【スカイセンサーICF5900】の整備をお願いされた。
町内会の寄り合いで昔に流行っていたBCLの話題で意気投合し一度整備することしたものです。

ネットでICF5900の修理を良く見ていて大体の修理方法は知っていました。
状況として外観は長期保管による汚れはあるけど大きな破損は無し。電池は液漏れを起こしていたそうで、電極が汚れていました。

動作確認するためDC4.5Vの手持ちACアダプタの出力電圧を確認すると無負荷で7V位あり、
壊すといけないので安定化電源から供給することにしました。
電源を入れると無音です。バンド切替スイッチを何度か切り替えるとAMが受信できました。
受信感度が良くてビックリです。ローカル放送を受信しましたがSメータも動作するようです。
受信状態でボリュームやトーンコントロールを確認しましたが「ガリ」は無いようでした。
ところが、SW(短波)は受信できたり雑音になったりでマトモに受信できません。
同調系はサブダイヤル(中央のダイヤル)が空回りしています。バーニヤダイヤルが壊れているようでした。

状況が判明したので分解し整備を行いますが、分解方法をネットで確認しました。回路図などは5900Wの物が有り利用しました。
とても参考になります。修理対象に傷をつけないように分解・組立するにはマニュアルにある組立図を参考にすると良いです。部品を確認しつつデジタルカメラで撮影しながら分解しましょう。途中で間違っても写真を遡れば元通りに組立てられます。

ツマミ類はネットで覚えたタコ糸を使った方法で外します。


サブダイヤルにはピアノ線で作られた「押さえ金具」が有りますが、外す際に気を付けないと金具自体のバネのため手元が狂うとどっかに飛んで行ってしまいます。



裏蓋を外すとプリント基板にアプローチできます。前面パネルを外すにはスピーカーコードを基板から外しました。(ハンダ付けです)

前面パネルを外しバンド切替スイッチに接点復活材を吹きかけ接触不良を解消します。
私が使っているのは「RIPE」です。使っている中では一番性能が良く汚れが取れます。本当であれば接点に吹きかけてから接点を拭いてやると酸化物が簡単に取れますが、今回はスイッチまで分解するのはとても手間が掛かるので、接点復活材を吹きかけて乾く前にスイッチを切替て接触面を簡易的に清掃しました。


仮に電源をつないで動作確認すると正常に受信できるようになりました。
SGを接続して各バンドの受信試験しましたが、ほぼ正常に動作しています。

中央のサブダイヤルはが回転しないのは回転部の周囲に付着した減速用のグリスが固着し接着剤代わりになって固定してしまっていたようで。
周囲部を手で回転させると渋く少し回転する様になり、何回か回転させると固着が緩み正常に回転するようになりました。

マーカとBFOも正常に動作しています。なんかアッサリと終了してしまいました。
ケース・ツマミは中性洗剤で洗い汚れを落とします。スイッチ・ツマミのアルミ部は錆が有ったので、接点復活財を塗ってしばらくしてから真鋳ブラシで軽く撫でると綺麗に取れました。

持ち主に戻し、今後は使って貰って不具合個所があれば修理・整備することといたしました。
(本当は2SC710を何個か取替えたいのですが手持ちに無いので手配するか迷うところです)

整備した物を動作チェックのため色々と受信しましたが感度と音質が良く自分でも欲しくなってしまいました。中学生の頃ICF5500AをBCLに使っていて、懐かしくなってしまいました。
ネットでは結構高く取引されているようです。良くウオッチして良い出物があったら頑張って見ましょう。