無線関係を測定する場合、やはり欲しくなる一品である。
仕事でも使っていて、送信スペクトラムや受信信号を目で見る事は事象の解析に便利なのだ。
いつものヤフオクで眺めていたらADVANTESTのR4131Cの出品があった。
セルフチェックOKとの事。
意外と安いので落札金額の上限を定めて入札し落札出来た。
手元に届いて動作チェックしたが、周波数が安定しない。
チューニングするたびに変動してしまう。
やはり安物買いの銭失いかと諦めたのだが、ネットでマニュアルを手に入れたので修理&調整を行う事にした。
清掃を施すためカバーを外しエアーで埃を吹き飛ばし刷毛で清掃後、最初に0MHzの調整を行った。
スパンを20MHzでオフセットを調節・・ゼロまで調整できない。
基板を観察したらオフセット調整用のボリュームから伸びている基板のスルーホールの半田付けが怪しく見えた。
半田付け不良も考えられるのでスルーホール部やIC周辺の半田付けを再度実施。
基板を元に戻し調整したら、あっさりとゼロに調節できた。
気をよくして、再度調整開始。
結果、周波数のふらつきは収まらない。0.5~2MHz位ずれる。
怪しい電解コンデンサを交換してみるが何ら変化が無い。外したコンデンサをチェックしたが容量抜けは無いようだった。
(コンデンサの交換には半田吸取器が必要です)
結局YTOコントロール回路の主だったコンデンサは交換してしまった。が、不安定は収まらない。
マニュアルの調整説明と回路図から調整ポイントを探し何度と無く調整を行っても安定しない。
こうなればYTO自体の不良か、コントロール回路が悪いか切り分けを行う必要がある。
コントロール回路をオシロスコープで波形観測しYTOのコントロール信号を確認した。
周波数による電圧は一定であり、波形に変化は見られなかった。
つまり、電圧コントロールは正常で周波数がふらつくのであればYTOの不良と言うわけである。
YTOの修理は無理なのでガッカリしていたが、回路図を見ていて気がついた。
周波数変動を検出しフィードバックする回路が無いのである。
(R4131DはAFC回路があるのだが)
そこで、マニュアルのスペックを確認したら、何と誤差が±10MHzとなっていた。
AFCが有っても±300KHzとアバウトなのだ。
会社で使っていたスペクトラムアナライザは安定度が高く周波数が変動することは無かったので、変動しない事が当たり前だったのだが、このR4131Cは周波数が安定しない物だったのだ。
そう言えば、200MHzのマーカや中心周波数のセット等、今まで使っていた装置には無い機能が有るのだった。
まるで昔のアマチュア無線機に内蔵していたマーカそのものである。
そう考えれば調整も比較的安定するようにモード毎のチューニングやバイアスを決めれば良いと思って気楽に行ったらかえって上手く調整できたようだ。
このスペアナは4000MHzまで測定できるので誤差が10MHzだったとしても0.25%である。
(低い周波数では誤差が大きな値となるね)
安定度は悪いが、悪いと思って使えばそれなりに使えそうである。機能として受信信号をモニターできるのだがアンテナを接続して信号に合わせスパンを狭くし帯域を狭めて行くとチャンと受信できた。
結局修理したのは最初のスパン調整ボリューム周辺の半田付けやり直しのみだったな。とほほ。
これから色々と使って行こう。
0 件のコメント:
コメントを投稿