2015年12月31日木曜日

周波数カウンターの精度を向上しよう(TR5821_その2)

部品取り用に手に入れたTR5281Aだが、動作することが判明したので、精度向上を実験する事にした。上手く行ったら、現用のTR5281Aに施すこととしよう。

カウンターは測定精度・安定度が命なので、10MHzクロックをTXOに変更する。このTXOはオークションで手に入れた。この他にOCXOと言うオーブン式の物も手に入れたが別に使うこととした。


クロック基板の回路が判らないと改造方法がわからないので、実基板から回路図をトレースし改造ポイントを検討した。

この基板は実測+11.2V(多分基準は12V)を加え、内部で3端子レギュレータ78L05で+5Vとして動作している。両面基板の表面側をグランドとして裏側に回路を構成していたので、+5Vラインは裏側だった。TXOの動作電圧は+5Vなので、基板に実装するの当たり電源ラインとアース間で丁度良い場所を探る。なお、復元を考えて改造は最小限とした。

実装ポイントは基板裏面の+5V電源ラインと水晶の固定用ワイヤーをアースとしてハンダ付けした。
TXOの出力は、水晶発振回路トランジスタのコレクタ出力がクロック切替スイッチを経由してバッファー回路へと接続されるので、切替スイッチのプリントパターンをカットして接続した。
基板の改造ポイントはこの一箇所のみなので、復元は簡単にできる(半田付けするだけ)

改造基板を調整を行うため、本体からのコネクタを接続し、念のため基板のグランドをクリップで本体のアースへ接続した。

電源投入でアッサリ動作開始。正常である。


TXOのトリマーで周波数を微調整できる。トリマーの溝が狭く小さいためコア調整用のドライバーが使えないため、竹串を削って調整ドライバーを作った。
TXOを調整し0.5Hzまで追い込んだが、本体に実装するとアース面や周囲の部品状況で調整がずれると思われる。仮調整であります。

TXOのドリフト状況を確認して最終調整をします。
改造基板の実装状況です。此のままでTXOの微調整はむりですね。


周波数カウンターには10MHzの外部クロックでも動作しますので、10MHzのOCXOは単独で動作し外部クロック供給装置にしようと考えています。

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【その後】

 完成したTR5280Aをエージングし発振周波数をモニターしたところ、室温20度で6時間ほどして9.999987MHzと13Hzもドリフトしてしまった。

 調整をしようとしてケースを触ったらとても暖かい。いや熱い。 放射型温度計で測定したところケース内が46度まで上昇していた。
 温度差が23度なので1Hz/℃ (1×10^-7/℃)として順当なところなのでしょうか。

 特に熱いのが、トランス、裏蓋アルミ板、更にMPUや集合抵抗器が発熱している。

 いくら温度補償が有ってもこれでは安定化は無理である。なんか、カウンター内全体が恒温槽になっているような感じである。

 さて、元に戻して、安定化は外部OCXOとしよう。
 


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