2016年1月11日月曜日

GPS受信機を周波数カウンターに応用する(その2)

周波数カウンターの精度向上をネタに色々と遊んでいてOCXOの安定度の素晴らしさは良く判ったのだが値段が高い。GPSDOも有るのだが外出さきまでは持っていけない。

そこで、前に購入したGPS受信機を周波数カウンターに内蔵してみた。
手に入れたGPS受信機はAitendoの1980円の物でU-blox社のNEO6と言う受信ユニットを使っている。色々と調べたら1PPSの信号の他、1KHzまで出力が設定できるようである。
u-blox GPSモジュール [NEO6M-ANT-4P]】
しかし、受信機のユニット出力には信号が出ていないので、基板から直接取り出すこととした。

まずは実験。GPS受信機とパソコンを接続しU-blox社の受信ユニットの評価ソフトを起動した。
評価ソフトはU-blox社のホームページからダウンロードできる。GPS受信機の信号はTTLレベルなのでUSB-TTL変換ユニットを中間に入れる。これもAitendoで入手した。

GPS受信機の1PPS出力は、衛星を捕捉完了すると1PPSでフリッカーするLEDから引き出した。


このLEDからバッファーのトランジスタを介し信号を分配する。
GPSユニットからの信号はポリウレタン線でユニバーサル基板へ渡している。

この信号は実はGPS受信ユニットをコントロールすることで1KHzまで上げる事が出来た。
実際に測定してみると。100Hzで1.3マイクロHzの差と言う精度でした。

このGPS受信機を古い周波数カウンターへ内蔵してみた。
コネクタ類の実装場所が無いため、交流入力電圧切替スイッチ部を撤去した。元々100Vでしか使わないし。

配線が無くなりスッキリしました。
GPS受信ユニットには、まだ回路を組む予定なのですが実験のため実装して見ました。


GPS受信機の信号を100Hzに設定して、周波数カウンターのクロック100Hzをパタンカットして接続します。
電源も仮なのでICのピンから引き出しました。


電圧切替スイッチの撤去跡にGPS受信機の外部アンテナ端子(SMA)とPC接続信号(TTL)端子を実装しました。
 改造前
改造後

GPSアンテナは窓際き置き、電源を投入しパソコンで動作確認を実施。
とっても感度が良いGPS衛星を多数捕捉しており精度も期待できそう。



衛星も捕捉し同期も取れたようなので周波数カウンターの測定入力へGPSDOの10MHzを入れました。10MHzの表示です。
GPS信号を受信し確立していればオレンジのLEDが点灯するようにしました。


この状態でGPS受信機の信号を100Hzから10Hzに落としたら、思うようにゲート時間が10倍になりました。
10MHzは100MHzとして測定されます。下の状態は一番したの桁が0.1Hzになります。

100MHzと表示されます。

さらに1Hzにすれば0.01Hzまで測定できます。この時の表示も000000.000となっており、1×10^-9程度の精度はありそうです。

いやー40年近く前の周波数カウンターが最新のGPS技術で物凄い精度の測定器に生まれ変わりました。

実験で組んだだけですので、GPSを受信していない時は内蔵のVCTCXO側の信号を使うように回路を組みましょう。

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1/12追記
 下が追加した回路です。


 原理としては、GPS受信機の1PPS出力LEDのパルスを検出したら、M/Mで2秒間タイマーが動作し周波数カウンターの内部クロック100HzをGPS側の信号に切替えます。
 このM/Mはタイマー動作中にトリガーが加わった時点からタイマーがリスタートします。
タイマー動作時間>1PPSの設定なので、GPS受信信号が継続して入力されるうちは周波数カウンターのクロックはGPS側となるわけです。とてもシンプルな回路で我ながら気に入っています。

 回路を組込んだのがこちらです。


 GPS受信ユニットの出力信号を100Hzに設定しても電源が切れると、デフォルトの1Hzに戻ってしまいした。なので現状はGPS受信中はゲート時間が100秒となり分解能は0.01Hzとなっております。
もし、1Hzとする場合はPCを接続してGPS受信機の設定を変更すればOKです。

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