動作確認するためユニバーサル基板に実装し、電源線や周波数調整用のVRを取り付けた。
電源は+12V±5%を供給し出力信号の波形を測定、綺麗な正弦波であった。
それにしてもデカイ。前に試験したMV85A(右上)、OCXO131-191(右下)と比較するとその大きさが判るかな。
発振周波数を確認すると、なんと9.999830MHzと170Hzもズレテイル?
不良品かなと思いつつオーブンが暖まるまで待つことにした。
時間経過と供に10MHzに近づいていく。安定時には9.9999984MHzと1.6Hzの差となった。
そのときのオーブンの温度はなんと50℃を超えている。
周波数調整は外付けVRで行うが、これが大変。周波数カウンターで周波数を調整していたが0.1Hz単位では測定時間が10秒、0.01Hzでは100秒(1分40秒)も必要で、思うように調整できないのである。
これでは思うように調整が進まないので、色々と考えて見た。
そして結論はオシロスコープでリサージュ波形(X-Y波形)を見ながら周波数を合わせると言う物。
これならリアルタイムで周波数のズレが判り、簡単に基準周波数に合わせる事ができるだろう。
と言うことで、オシロスコープで測定を行った。デジタルオシロを使用しているのだが最初使い方が判らず焦る。マニュアルをダウンロードして測定方法を確認(X-Y測定)できた。
【アナログオシロならホトンド前面パネルにスイッチが有ったが、デジタルは機能が有りすぎて・・】
CH1にOCXO出力、CH2にGPSDOの信号を入れリサージュ波形を観測しつつ、OCXOのVRで調整する。ホトンド波形が回転しない様に調整ができた。
リサージュで測定しOCXOを調整する手順をメモしておく。
1.OCXOのオーブンを十分に暖めて、周波数カウンターで0.1Hz単位まで周波数を合わせる。
(コツ1:ある程度周波数を合わせておかないと、リサージュ波形の静止点を見つけ辛い)
2.オシロスコープのX軸にOCXO信号を入力
(コツ2:各信号は電圧が違うので各々の測定レンジを適正にする)
3.オシロスコープのY軸に基準信号(GPSDOやルビジュウム等)を入力
(コツ3:周波数校正が完了した周波数カウンターの外部出力信号(10MHz)でも良い。但し、精度は周波数カウンターの校正値となる)
4.リサージュ波形(X-Y測定)を観測
5.リサージュ波形が静止するようにOCXOのVRを調整
(コツ4:イメージとしてリサージュ波形が右回り⇒左回り(または逆)と変化する点にゼロインポイントがある)
とっても簡単・短時間で調整完了できる。
MV89Aのリサージュ波形をしばらく観測していたが、少しながらもリサージュ波形が長時間で回転する。VRを調整仕切れていないのだろうが、これはもう不可能な領域ですね。
さてケースに組み入れますか。
---------------------------2016/01.17追記------------------------------------
動作確認したMV89Aをケースに入れた。
このMV89Aは最大消費電力が1.5Aなので、12V2.5Aと言う電源ユニットをヤフオクで手に入れた。
これと一緒にケースへ組込んだ。
久々のケース加工はドリルとヤスリ、ハンドニブラーで簡単にできた。
OCXOの出力はBNCコネクタで外部出力1個とし、絶縁タイプの物を使ってアースを浮かせる構造としています。
バッファーを増設して出力数を多くした場合はアースタイプにしようかな。
電源を入れ、周波数変動を確認したら①投入時-250Hz、②12分後-0.02Hzでした。最後にGPSDOの信号とオシロスコープでリサージュを観測したら、非常にゆっくりと回転していました。
これは調整で停止できない範囲なので諦めですね。 およそ-0.02Hz程度の誤差です。
調整後に電源断し2週間電源を入れない状態で保存しても誤差が-0.02Hzですので副次校正器とて十分な精度です。
現在使用してるTR5825AのOCXOより高精度なので外部クロックとして使用する予定ですが、校正が必要な友人には貸し出ししようかな。
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