2015年12月31日木曜日

周波数カウンターの精度を向上しよう(OCXO_MV85A)

周波数カウンターに内蔵しようと思って入手したOCXO_MV85A。
どれに入れようか考えたのだが、測定器には外部クロック入力が備えられている場合が多いため、このMV85Aは外部クロック供給器とする事にした。(NESの様なもの)

手に入れたMV85Aの動作試験を行ったら正常動作してくれたのでユニバーサル基板に取付。ところが、手に入れたMV85AのPINが短く基板裏側まで出てくれない。多分スルーホール基板で使われていたのでしょう。
このままでは使えないので、ユニバーサル基板の穴を大きくしてリード線を接続した。
リード線の端を1mm位L型に曲げ、大きくした基板の穴に入れMV85Aのリード線に仮にハンダ付けし、長いほうを穴2~3個分としてハンダ付固定しました。最後にキチンとMV85A側のPINとリード線を半田付けします。


VS(電源+5V)、GND(アース)を接続して周波数を確認したら9.999989MHzで11Hzの差が有った。
MV85Aには周波数調整用のトリマーが無いので、コントロール端子に基準電圧を加え、この電圧を可変することで周波数を調整するようだ。

Vinに0~4.5Vの範囲で電圧を加えるのだが、MV85AのVin-F特性とか判らないので中間の2.25Vを加えたところ10.0000023MHzと2.3Hzの差となる。

電圧調整用の10kΩVR、ちょっと精度の高い物にした。これと直列に1kΩの抵抗を入れ+5Vに接続し、0~4.5Vの調整範囲とした。




電圧調整用のVRを微調整して10.0000000MHzに合わせた。


これから周波数ドリフト特性を確認してみよう。安定が良ければケースに組み入れてみます。

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【その後】

2時間後 9.99999997MHz -0.03Hz
6時間後 9.99999993MHz -0.07Hz

とても安定しています。このくらいの差ではOCXOの誤差なのか周波数カウンター側の誤差なのかは判りませんね。
ケースに入れて外部クロック供給器にしましょう。

周波数カウンターの精度を向上しよう(TR5821_その2)

部品取り用に手に入れたTR5281Aだが、動作することが判明したので、精度向上を実験する事にした。上手く行ったら、現用のTR5281Aに施すこととしよう。

カウンターは測定精度・安定度が命なので、10MHzクロックをTXOに変更する。このTXOはオークションで手に入れた。この他にOCXOと言うオーブン式の物も手に入れたが別に使うこととした。


クロック基板の回路が判らないと改造方法がわからないので、実基板から回路図をトレースし改造ポイントを検討した。

この基板は実測+11.2V(多分基準は12V)を加え、内部で3端子レギュレータ78L05で+5Vとして動作している。両面基板の表面側をグランドとして裏側に回路を構成していたので、+5Vラインは裏側だった。TXOの動作電圧は+5Vなので、基板に実装するの当たり電源ラインとアース間で丁度良い場所を探る。なお、復元を考えて改造は最小限とした。

実装ポイントは基板裏面の+5V電源ラインと水晶の固定用ワイヤーをアースとしてハンダ付けした。
TXOの出力は、水晶発振回路トランジスタのコレクタ出力がクロック切替スイッチを経由してバッファー回路へと接続されるので、切替スイッチのプリントパターンをカットして接続した。
基板の改造ポイントはこの一箇所のみなので、復元は簡単にできる(半田付けするだけ)

改造基板を調整を行うため、本体からのコネクタを接続し、念のため基板のグランドをクリップで本体のアースへ接続した。

電源投入でアッサリ動作開始。正常である。


TXOのトリマーで周波数を微調整できる。トリマーの溝が狭く小さいためコア調整用のドライバーが使えないため、竹串を削って調整ドライバーを作った。
TXOを調整し0.5Hzまで追い込んだが、本体に実装するとアース面や周囲の部品状況で調整がずれると思われる。仮調整であります。

TXOのドリフト状況を確認して最終調整をします。
改造基板の実装状況です。此のままでTXOの微調整はむりですね。


周波数カウンターには10MHzの外部クロックでも動作しますので、10MHzのOCXOは単独で動作し外部クロック供給装置にしようと考えています。

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【その後】

 完成したTR5280Aをエージングし発振周波数をモニターしたところ、室温20度で6時間ほどして9.999987MHzと13Hzもドリフトしてしまった。

 調整をしようとしてケースを触ったらとても暖かい。いや熱い。 放射型温度計で測定したところケース内が46度まで上昇していた。
 温度差が23度なので1Hz/℃ (1×10^-7/℃)として順当なところなのでしょうか。

 特に熱いのが、トランス、裏蓋アルミ板、更にMPUや集合抵抗器が発熱している。

 いくら温度補償が有ってもこれでは安定化は無理である。なんか、カウンター内全体が恒温槽になっているような感じである。

 さて、元に戻して、安定化は外部OCXOとしよう。
 


2015年12月29日火曜日

周波数カウンターの精度を向上しよう(TR5821)

最近なぜか無線機の修理より、測定周波数の精度向上を目指すようになった。
切欠はGPSDOを手に入れ、周波数カウンターの校正をしていて安定度を増すためにはと考えた事によります。
一番古い周波数カウンターはVCTCXOを追加して一応精度向上したので追加は検討中。
タケダリケンのTR5821の内部を確認したら、クロックが10MHzで回路はCPUによるプログラム制御のため、秋月のVCTCXOを使う方法は取れなかった。

10MHzのクロック基板、背面パネルに固定されている。

クロック基板は10MHzの水晶発振回路とクロック切替SWが付いている。
周波数調整用トリマーへ外からアプローチできるように構成されている。(STD_ADJ)

10MHzのTCXOやOCXOを入手してクロックを変更しよう。
 (ヤフオクで色々と出品されていましたので、数種類入手しました)

ヤフオクで周波数カウンター関係を眺めていたらTR5821の出品が有った。写真では外観破損、カウンター表示もチェック位置で「0.00」表示で壊れているようであったが部品取り用に落札した。
(2kしませんでした)

物が届いて確認すると、どうやら前面左上から落としたように思われる。前面パネルの欠け、周波数表示部のアクリル割れ、右側盤破損と中破している。

動作は電源投入で「E7」エラー表示後にCHEKモードで「0.00」表示となった。


前回構造確認した時に、クロック基板に「INT-EXT」切替スイッチがある事を知っていたので、確認したら「EXT.STD IN」側となっている。

EXT.STD_INだと外部クロックで動作するのでエラー表示と0.00は当たり前なのでしょう。

切替スイッチを「INT.STD_OUT」側にしたら、正常に動作開始。

正常表示です。

このTR582Xシリーズはヤフオクで結構出品されていますが、写真でCHEKモードで0.00表示となっているものは裏側のスイッチ位置がEXT側かもしれません。動作不良でも、もしかしたら掘り出し物が格安で手に入るかも。

う~ん。部品取り用に手に入れたが、修理して制度向上を図ってみようかな。

2015年12月19日土曜日

周波数カウンターの精度向上(VCTCXOを使う)

GPSDOを手に入れて手持ちの周波数カウンターの校正を行ったが、Nationalの古い物は安定度が悪く、1時間くらいで24Hzもドリフトしていた。

 今、GPSDOを作ろうと思い、VCTCXOには秋月電子の12.8MHzの物を使う事にして設計を行っている。このVCTCXOを周波数カウンターのクロックに使えば安定度が1ppmとなるはずである。

 Nationalの周波数カウンターはVP4052Aと言う物で、昔ながらの装置構成であった。つまり、クロックに10MHzの水晶発振を使い、分周し1秒や0.1秒などのゲート信号(測定間隔)を作っているのです。
 ところで秋月のVCTCXOは12.8MHzなので、チョイと加工が必要となる。
 10MHzを1秒まで文周するには1/10のカウンターが7個必要である。つまり1/10毎にICより信号が出力されている。
 12.8MHzは1/128すると100KHzとなる。なので、この1/128した信号を周波数カウンターの100KHzに入れてあげれば完了であす。しかも、MOS-ICの4040は分周専用のICで1個で100KHzを作ることが出来そうだ。

 ここで問題は、IC_4040が12.8MHzで使えるかと言うことだ。一般にMOS-ICは動作周波数が低いので不安があった。
 実際にTC4040を使って分周したが全然使えなかった。動作しない、信号が出てこないのである。
そこで、ネットで分周用のIC(プリスケラー)を探していたら、74HC4040と言うICを発見。なんと70MHzまで使えそうであった。これなら、当初の予定通りIC1個で分周し100KHzが作れる。



 マルツパーツのネット店で注文し手に入れた。ついでに、74HC390と言う1/10カウンターが2個入った物も手に入れておいた。

 バラックで組立て動作検証を行ったので、実際に組込む事を考えた。
 このカウンターはロジックICを使っているので、基板に実装されたICの上に実装する方法として調査したら、なんと16PINのICを実装できるスペースがあるではないか。ブラボーである。昔の設計では、製品化した後に発生する瑕疵に備え、対策するスペースを確保していたものである。
 今は、集積度が高いので無理な話だが・・・・


この部分にHC4040を実装し、VCTCXOは増設ICの2階とした。
【ICを取付ました】

ICの拡大画像

実装したIC_74HC4040の上にVCTCXOを取り付けました。

この取付方法は以外と簡単にできました。
74HC4040は16PinでVCTCXOは14PinのICと電源・アースが同じです。
そこで以下のようにしてみました。

4040       VCTCXO
 16 -------  14   (VCC)
  8 -------  7    (GND) VCTCXOのピンを曲げて16Pinの8番のポイントに加工
 10 -------  8    (信号) VCCを基準にすると丁度真上になります)
 11 -------       (CL⇒Gへ)
  4 -------       (100KHz出力 10kΩの抵抗で動作ポイントを2.5Vにします)

VCTCXOの出力はACで200mVくらいしかありませんので2.5V±0.2Vとします。


既設カウンターの100KHz信号出力のパターンをカットして、100KHzの信号をカウンターに接続し完了です。
GPSDOの10MHzを測定すると丁度10.000000となりました。


今回使用した12.8MHzのVCTCXOの出力を測定しました。
1.1Hzズレテいますが、調整は止めておきました。1ppmの範囲内なんですよ。

これで古いカウンターも精度が高くなりました。費用はVCTCXOが0.6K、ICが0.1Kです。
12.8MHzのVCTCXOと74HC4040の組み合わせによる周波数精度向上は無事完了です。この方法は使えそうですね。

あとこのカウンターにGPS受信ユニットを入れてゲート1秒で1×10^12の精度にしようかなとも思いましたが、分解能が1Hzなので此のままでも十分ですね。

2015年12月9日水曜日

GPS受信機を周波数カウンターに応用する(その1)

GPSDOを入手し測定器の校正は完了したのだが、色々と調べているうちにGPSを使って周波数カウンターを動かしたくなった。
なぜ、周波数カウンターとGPSを組み合わせるかと言えば、GPSを捕捉すれば1×10^-12位の精度となる事が期待できるからである。
とは言え、GPSについては原理、使用方法位しか知らないので一から勉強である。
手始めにGPS受信ユニットをパソコンと接続した。

受信機はaitendoから格安の受信ユニット+アンテナで2kの物。u-boxのNEO-6Mを使用したもので専用の受信ソフトも公開されており入手可能である。
とても小型である

アンテナも付いているのだが、配線が3cmしかない。屋外に設置することを考え3mのコードが着いたアンテナを入手。

ただコネクタがi-pexと言う規格で受信ユニット側がMMCX規格なので接続できない。
変換コネクタも必要である。受信ユニットは周波数カウンターに内蔵するつもりなので、SMAコネクタで中継するようにした。


GPS受信ユニットのデータ信号入出力はTTLレベルなのでパソコンへの接続に変換ユニットが必要となる。定番はRS232Cなのでレベルコンバータを入手した。何と150円
所が最近のパソコンにはRS232C端子が無くUSBシリアル変換ユニットが必要となる。ならば最初からTTL信号をUSBに変換すれば良いのである。
USB-TTL変換ユニットも入手。デバイスがFTDI社のFL232と言うチップ、これもFTDI社のホームページからドライバが入手可能であった。
このUSB-TTL変換ユニットのメリットはUSBポートから+5Vの電源が供給できGPS受信ユニットまで動作できる。


USB-TTL変換ユニットの接続
 FTDI社から入手したドライバーをパソコンにインストールする。
 USB-TTL変換ユニットをパソコンに接続する。
 自動的に認識される。システムのハードウエアを確認するとCOM7が付与されていた。

GPS受信ユニットとUSB-TTL変換ユニットを接続する。ユニバーサル基板にソケットを取付、配線を結ぶ。
USB-TTL   GPS受信ユニット
 GND  ------- GND
 VCC  ------- VCC
 RXI  ------- TX
 TXO  ------- RX
4本だけでOKです。


U-BOX社からソフトウエアをダウンロードする。u-center_V8.18と言うソフトである。
ソフトウエアをインストールし起動すると自動的にCOM番号を認識するようだ。タグメニューの「receiver」の「port」で確認・設定が可能である。
GPS受信ユニットとの通信が成功すれば 画面下へCOM番号 通信速度「9600」が表示された。

意外と簡単にパソコンと接続ができた。特にUSBを経由してPCと接続する方法がわかったのは大きい。
今もっている測定器も通信機能有りの物はUSB-TTL変換ユニットを内蔵しようかな。

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GPSユニットを周波数カウンターに実装した記事はこちら⇒クリックしてね


2015年11月30日月曜日

基準周波数発生器の入手(GPSDO)

無線機の修理調整を行っていて周波数の精度はとても大切な条件である。
周波数カウンターは手に入れているが精度は不明である。メーカ等で使用していた物と思われるので有る程度は精度を期待しているがやはり不安である。
身近な周波数確認方法はJJY/WWVの受信であるが、せいぜい1KHzか100Hz単位かなと。昔はカラーTVのカラー信号であるを3.579545MHz使った校正方法も有ったようだ。
では周波数カウンターを校正機関にお願いすると数万円のベラボウなお金が必要となる。
また、ルビジュウム発信器を手に入れても結局は校正が必要である。
そこでGPSを使った基準周波数発生器を手に入れることとした。GPS衛星の信号は1×10^-12という物凄い精度である。
昔市場に安価で大量に事があるそうだが現在は中々出てこない。新品は趣味で買うレベルではないのでヤフオクで手に入れた。
GPSDOユニットをケースに収めた物でアンテナ付きであった。チョット高値であったが許容範囲で落札できた。Thunderboltと言うものです。



PCの下がGPSDOである。屋外にGPSアンテナを置いて各種設定を行った後、24時間置いて精度を上げた。⇒0.01ppbである。


安定していることを確認し周波数カウンターに10MHz出力を入れ測定してみた。
電源投入後10分、まだ安定していないと思うが測定結果は-0.09Hzの差が有った。
校正値は-0.09Hzである。


もう一台のカウンターを測定してみると-1Hzの差がある。

下の周波数カウンターはオーブンを持っていないので更にドリフトするでしょう。

◆1時間後
 下段:1GHzまで/-0.05Hz(オーブン有り)  5×10^-9
 中断:ユニバーサル/+4.6Hz         4.6×10^-7
 上段:大昔   /24Hz             2.4×10^-6
 やはりオーブン(恒温槽)が無いカウンターはドリフトしますね。


さて次は周波数カウンターの調整を実施しようかな。(でも校正値を把握しているので不要かな?)

色々な周波数測定装置を校正してみよう。

2015年11月15日日曜日

TS780の整備(その3)

 TX基板出力のコネクタを手配していたのだが納期が11月24日になるそうだ。手配した物は1.5D-2Vケーブル1mにSMLコネクタ(オス)を片側付けたもの。@800円である。
 【SMLコネクタ。専用工具が必要なので製作して貰う】(↓はイメージ)

 この他にSMLコネクタ付きジャンク基板をヤフオクで手に入れていたのだが、10cm位しかケーブルが付いていなく延長する必要がある。


 SMAコネクタやBNCコネクタを付けて中継コネクタを使うのも部品代が掛かるので手持ちで安価なSMAコネクタのメスを直接接続する。
 SMAコネクタは秋月電子で売っている150円の物。その辺に有った銅板の切れ端で囲む。

ジャンク基板から外した同軸ケーブルをハンダ付けした。

こんな感じになりました。
本当はSMAの同軸用メスコネクタを付ければ良いのだが手持ちに無く買うと高価なようだ。

SMAコネクタを接続した。SMAコネクタは専用トルクレンチで締めます。

TX基板の「D14」端子に接続します。これで正確な値が測定できます。

測定値は12.1[dBm]、基準とする出力は0.16Wなので22.0[dBm]となり10dB低い様です。
IF基板とTX基板のコイルコアとトリマを調整するも最良のようで、これ以上出力は上がらない。

 マニュアルを良く読むとTX基板のVR1(ALC)を調整前に左側一杯に回してくとあり、行っていなかったので左に回した所、22[dBm]に調整できました。
 D14コネクタを元に戻し送信出力を10Wに合わせて完了です。

さて、受信と送信が大雑把に確認できたので、微調整に進みましょう。