2015年4月29日水曜日

TS830の修理(その4)

【このブログは修理の記録です。参考に何か行う場合は自己責任でお願いします。私は責任を取りません】
受信も出来るようになったが、CW-Nモードで音が出ない。
この無線機にはラッキーなことにCWフィルターが入っていたのだが使えなければ無いも同然なので修理を行う。
回路図を確認したら、CW-Nフィルターを使用するためにダイオードSWを使用してる。CW-Nモードを選択した場合、8.9MHzと455kHzのフィルターを使うよう電圧が印加される仕組み。
よくよく回路図を確認すると、CWのモードを4パターン設定できるようだ。
CWフィルターを
1.8.9M,455k両方とも使用しない
2.8.9Mのみ使用する
3.455kのみ使用する
4.両方使用する


当初設定が4なのでダイオードスイッチの電圧を測定すると問題ない。故障個所はフィルター自体となるので上記パターンにより8.9Mと455Kを個別で使用し受信すると455kを使用した場合に受信音量が極端に低くなることが判明。
フィルター自体が壊れることは少ないので基盤不良かハンダ付け不良と思いIF基板を確認する。
IF基板はコネクターとネジを外すと取り出すことが出来た。

基板の裏面を確認したらCW-Nフィルターの半田付けがイモで、とても怪しい。
リード線の切るのが勿体なかったのか長くシャーシに接触するんじゃないかと思われるほど。
フィルターのケースアースも半田付けしていない。
【455kHzフィルター アース側がイモハンダです】

【8.9Mフィルター ケースアースハンダ付け無し】

半田付けを手直しした。


ハンダゴテについて
 信号線は小容量のハンダゴテを使用するが、アース面は60Wのハンダゴテを使用する。アース側は銅部分の面積が大きく小容量ではアース面が温まる時間が長くかかりパターンを傷めるし、イモハンダになりやすい。短時間で確実に行うためには60W位が必要であるが、あまり大きな容量だと瞬時にプリントパターンが剥がれてしまう。

これで受信できるように成っていれば修理は完了であるが、受信できない。
先ほどと同様に個別にフィルターを使用する試験を行ったら455KHzでも受信できるようになっていた。ではナゼ受信できないのだろう??

8.9MHzでは7.1736辺りでピークとなり、455KHzでは7.1743辺りがピークであり中心周波数がずれているので受信できないのである(500Hzのフィルター)
周波数ブロックを確認したらVBTと言う機能のための発信器が有りこれがずれていると推測、周波数を測定した。
【調整前 8.37376MHz】

発振周波数がずれていたので調整実施
【調整後8.37500MHz】

これでCW-Nモードでも受信できるようになった。

ついでにLSBとUSBの発振周波数を合わせた。
【LSB 前】
【LSB 後】

【USB 前】
【USB 後】

調整ポイント


これで受信側の信号系は調整完了である。
次は、トリマパックの調整ですね。

2015年4月27日月曜日

TS830の修理(その3)

装置のランプが切れていると、何かみすぼらしいのでランプ交換を行った。
純正は麦球なのだが、LED化してみた。前にTS700Sのランプ交換で手に入れたLEDである。
色はウオームホワイトで高輝度の物。

ランプ交換にあたり電圧を確認したらDCで0Vだった?よくよく回路図を確認したらAC13Vである。
LEDは交流でも使用できるので交換を実施したらチラツキが気になった。AC50Hz半波整流なのであるからフリッカーしていて光量も半分以下となる。
使っていて気になったら全波整流回路を追加しよう。
ランプは配線を切断しLEDと抵抗を接続した。

だいぶ状態が良くなったと実感できる。
 


部屋の電気を一部消して7MHzをワッチ。1エリアや8エリアが聞こえる。受信感度も良さそうだ。

明日はCWモードの修理をしよう。

2015年4月26日日曜日

TS830の修理(その2)

部屋に入れたTS830。
周波数表示はするが、ランプが切れている。
電源を入れ詳細を確認する前に前面がとても汚いので清掃を実施。

ツマミ類を全部外し、洗浄する。
メッキされたツマミ類が錆びているようなので「酢」で清掃してみた。
(十円玉も酢でピカピカになる)

前面パネルもウイルシャット(除菌・清掃剤)で綺麗に磨いた。

ツマミ類の清掃後。樹脂が白っぽくなった所は復活できない。アルミの錆も可能な限り落とした。

やっと綺麗になり、アンテナを接続し7MHzを受信するも、ホトンド聞こえない。
マーカを受信すれどもSメータが振れないほど。
SGを接続し40dBμを入力すれどもSメータが振れない。受信音も低いので受信感度の不良と判断した。

この手の故障は送受信切替リレーの接触不良が考えられるので、RFユニットのTP1にSGの信号を入れリレーを迂回して受信させる。
しかし症状は変わらなかったし、他のバンドも同様である。
受信回路には3SK73を使っているが、同等品として3SK74(形は違う)を持っているので交換を考えていると、何かのタイミングで7.1MHzのSG信号をS8位で受信した。
と言うことは受信回路の素子不良よりは接触不良が考えられる。基板類のたたき試験など行ったが、結局はバンド切替スイッチの接触不良であった。


綿棒でロータリースイッチの接点を綿が巻き込まれないよう注意しながら清掃し、最後に接点洗浄剤(RIPE)を吹きかけ洗浄実施。

結果、全バンド受信できるようになった。

各バンドへ40dBμの信号を入れ、Sメータ読みで7~8で受信している。
アンテナを接続し7MHzを受信したら、1エリアの方のラグチューが聞こえた。受信部は復活したようだが、CW-Nモードでは受信できないようだ。(CWフィルターが内蔵されていた)
Sメータとダイヤルの電球が切れいている。このままだと何か貧相なので次は電球交換しよう。
今日はこれまで。

2015年4月25日土曜日

TS830の修理(その1)

前々から欲しいと思っていたTS830を手に入れた。
写真ではケースはサビサビ、前面パネルの汚れもかなり有りそうだった。誰も入札しないのだが、商品説明では動作しているとの事。価格交渉していただき駄目元で入手した。

商品を受け取って、屋外で開梱。前回、ゴキブリの卵の件が有るので慎重になった。
写真のとおり赤錆が酷い状態であったが、商品説明で動作しているとの事だったので、電源をつないで初期状態の7MHzでVFOの動作を確認したら、問題なく0~500KHz表示された。

外観は酷く汚れていて、ツマミ類も緑色っぽくなっている(緑青?)

上部ケースを開けて内部を見たら愕然とした。木屑の様なものが沢山入り積もっている。
電源トランスの周囲にも積もっている。

酷い状態。基板にも積もっている。

前面部

上部全体

スピーカ部も汚れが酷いので、分解し清掃した



電源を入れない方が良かったかなと後悔した。電源リークでダメージがなければ良いのだが。

このままでは、シャックに入れられないので清掃に取り掛かる。
何時もの通りエアコンプレッサーで吹き飛ばす。

清掃用にブラシを100均で揃える


木屑?を吹き飛ばし刷毛で丁寧に掃き取る

トランスが錆びていたので錆止め塗装する。黒錆化するためタンニンを使用した。
なぜかしら我が家にはタンニンが沢山ある。車の補修や井戸水の赤錆清掃用である。


装置全体の埃を吹き飛ばす。
更に下部ケースも外し清掃する。意外と綺麗であった。

ファイナル部も清掃実施。玉も磨く。

ケースも錆落とし&錆転換塗料で防錆化。ついでに磨く。
右側が錆転換後、左は錆を落としただけ。

下部ケースの内側を水ぶきで磨くと意外と汚れが落ちた。(左側が清掃済み)

とりあえず、綺麗になったのでシャックへ入れメンテナンスを行おう。

2015年4月19日日曜日

AT230(アンテナチューナー)の整備

無線機の整備をしていて、実際に電波を出したくなって来た。
開局はしているが自宅にマトモなアンテナを上げていない。
そこでワイヤーを張りアンテナチューナーで電波を乗せることにした。

アンテナチューナーは当初自作しようと思っていたのだが、部品代を考えると中古のアンテナチューナーを手に入れたほうが安くつく。
そこで手に入れたのがTORIのAT230と言う物。アンテナ切替器とSWRメータ機能も有るので個別に揃えるより格安である。とは言え、中古品、手を入れられそうだ。

手元の届いたものがコレ。

前面パネルは綺麗だが、背面のコネクタ類やケースに汚れ・錆が多い。



中を確認したところ、とても綺麗であった。通気用の穴が無いので埃も少ない。でも、少々入っていたのでケースの隙間から入るんだろうな。

背面のコネクタは汚れと錆が有るため、このままでは使用できない。100均のブラシセットで磨く事にした。
【ANT3】

【M型コネクタ】

ブラシも樹脂⇒真鋳⇒ワイヤーの順番で磨いて見る。結果はワイヤーでなければ駄目であった。
ワイヤーで磨いた後に真鋳で磨くと傷が目立たなくなる。

ANT3は碍子を貫通しているので、碍子に傷が付かないよう布で丁寧に磨く。

ネジ・ナット類はCR556を吹きかけ錆を浮かしてからブラシで磨いた後、パーツクリーナで脱脂する。ネジは新品に交換する予定。

ケースもCR556とブラシで錆を落とし、これ以上進行しないようにする。今後、塗装も考えよう。

綺麗になってから室内で前面パネルの清掃を実施した。
ツマミ類を外し、ウイルシャットで拭き掃除。綺麗に見えたが、拭くと茶色い汚れが浮いてきた。
売り出す前に清掃を行っていたようだが、汚れを落としきっていないようで、隅や溝を清掃したキッチンペーパーが茶色になった。


これで使えるようになったが、アース(接地)をシャックに持ってきていない事に気がついた。接地工事を行ってから使う事になるが5月の連休にでも工事しようかな。