受信も出来るようになったが、CW-Nモードで音が出ない。
この無線機にはラッキーなことにCWフィルターが入っていたのだが使えなければ無いも同然なので修理を行う。
回路図を確認したら、CW-Nフィルターを使用するためにダイオードSWを使用してる。CW-Nモードを選択した場合、8.9MHzと455kHzのフィルターを使うよう電圧が印加される仕組み。
よくよく回路図を確認すると、CWのモードを4パターン設定できるようだ。
CWフィルターを
1.8.9M,455k両方とも使用しない
2.8.9Mのみ使用する
3.455kのみ使用する
4.両方使用する
当初設定が4なのでダイオードスイッチの電圧を測定すると問題ない。故障個所はフィルター自体となるので上記パターンにより8.9Mと455Kを個別で使用し受信すると455kを使用した場合に受信音量が極端に低くなることが判明。
フィルター自体が壊れることは少ないので基盤不良かハンダ付け不良と思いIF基板を確認する。
IF基板はコネクターとネジを外すと取り出すことが出来た。
基板の裏面を確認したらCW-Nフィルターの半田付けがイモで、とても怪しい。
リード線の切るのが勿体なかったのか長くシャーシに接触するんじゃないかと思われるほど。
フィルターのケースアースも半田付けしていない。
【455kHzフィルター アース側がイモハンダです】
【8.9Mフィルター ケースアースハンダ付け無し】
半田付けを手直しした。
ハンダゴテについて
信号線は小容量のハンダゴテを使用するが、アース面は60Wのハンダゴテを使用する。アース側は銅部分の面積が大きく小容量ではアース面が温まる時間が長くかかりパターンを傷めるし、イモハンダになりやすい。短時間で確実に行うためには60W位が必要であるが、あまり大きな容量だと瞬時にプリントパターンが剥がれてしまう。
これで受信できるように成っていれば修理は完了であるが、受信できない。
先ほどと同様に個別にフィルターを使用する試験を行ったら455KHzでも受信できるようになっていた。ではナゼ受信できないのだろう??
8.9MHzでは7.1736辺りでピークとなり、455KHzでは7.1743辺りがピークであり中心周波数がずれているので受信できないのである(500Hzのフィルター)
周波数ブロックを確認したらVBTと言う機能のための発信器が有りこれがずれていると推測、周波数を測定した。
【調整前 8.37376MHz】
発振周波数がずれていたので調整実施
【調整後8.37500MHz】
これでCW-Nモードでも受信できるようになった。
ついでにLSBとUSBの発振周波数を合わせた。
【LSB 前】
【LSB 後】
【USB 前】
【USB 後】
調整ポイント
これで受信側の信号系は調整完了である。
次は、トリマパックの調整ですね。