2015年4月18日土曜日

TS820Vの修理(その4)【VFOの修理と全体調整を実施】

【これは修理の備忘録です。参考にして何かなされる場合は自己責任でお願いします。私は責任を取りません】
周波数表示が直ったので送信を調べようと思い、28MHzバンドとし28.0~28.5MHz間をVFOでぐるぐる回していたら、350KHzより上で周波数表示が乱れるようだった。これはVFOの発振が停止している状態である。
前にTS700Sの修理時にも同様の現象があったので直ぐに判った。

ここで問題はTS820よりVFOユニットを外す必要があるのだが、とても面倒な感じであった。なんたってダイヤルメカ部をどうやって分離するのか判らないし一旦手を加えると大変な事になりそう。

サービスマニュアルを見ると上下4本のネジを外すとスッポリ外れるようなのだが良く判らない。
そこで、ツマミ類の清掃を兼ね前面パネルを外してみた。
【ツマミを外した状態】

【パネルを外した状態です】

ツマミ類は中性洗剤に漬け込み、VFO周りを観察すると、蛍光管表示ユニットと照明電球を外すと、ダイヤルメカごとVFOユニットが外れるようである。確かにマニュアルどおりであるが、コツが必要なようだ。
【VFOユニットを外しました。マニュアルのとおり】

次にVFOの修理に取り掛かる。
最初はバリコン辺りを確認し手直ししたが状況に変化無かった。
次に、発振波形をオシロスコープで確認したところ、正常時は1.8V位出ていた出力が750mVまで低下し更には発振停止した。
VFOの電源はRIT回路もあり、電源準備が大変であるため、無線機本体より引き出した。

正常時は1.8V程度出力がある。


異常時は750mVに低下

VFOの回路を確認すると、発振回路に3SK22を使いバッファに2SK19を使っている。
2SK19の出力で確認すると、異常時は電圧が低下する。
3SK22はあまり変化が無いが、350KHz以上では若干電圧が低下する。この低下分により2SK19が動作しなくなるようである。

3SK22は手持ちに無いので、2SK19Yを代替の2SK192Yに取替えて状況を確認した。(秋月様より購入)


基板

前のように極端に出力電圧は低下しないが、元信号(3SK22)の周波数特性に合わせ若干変動する。
これで直らなければ3SK22を手配しなければいけない。新品で手に入るか不明である。
周波数は4.9MHz~5.4MHzまで周波数変動無く動作してくれている。


元に戻して動作確認したら無事0~500KHzの間で安定して受信できるようになった。やれやれである。
前面パネルとツマミ類を綺麗にしたのでピカピカである。
特に、Sメータと周波数表示部の前にあるアクリルを綺麗にしたら見違えるように綺麗に見える。
(裏側にカビが生えていたようでした)

VFOが復活したので受信部の再調整を実施した。
TS820の取扱説明書にも調整方法の記載が有るが調整ポイントが判り辛い。
そのため、サービスマニュアル(英文)を見てポイントを確認しつつ実施する。

+9Vの調整はAF-AVRユニットであるが、測定ポイントは+9Vが出ているコネクタで測定する。
(AF1の1番ピン 赤色)説明書には9V端子とあり良く判らない。

+3.3VはAF2コネクタの6番ピンで測定する。測定電圧は3.4Vなのだが、調整用のVRが仕事し辛い位置に有るので手を加えなかった。

コイルパックを調整する。
幸いSSGがあるので取説にある周波数で40dBμで信号を入れて調整。ホトンドコアを動かさずに済みました。バンドは1.9MHzから実施すること。

後はRFユニットよIFユニットのコア調整したけれど、結果調整不要でした。(位置変わらず)

Sメータはアンテナコネクタからコードを外しIFユニットのVR1でゼロ調整。だいぶズレテいました。
アンテナから14.175MHzの40dBμを入力し、S9となるようVR2で調整したが多分にガリがあった。RIPEを吹きかけ接点洗浄実施。

周波数表示を調整した。15MHzのJJYを受信しカウンターの源振を調整するのだが、調整仕切れなかった。現状-1KHz表示となる。
面倒なので、クロックを直接調整してしまおう。前にトランジスタを交換したので微調整が必要でした。(忘れてました)

送信部の調整を実施。
無線機背面のSGスイッチをOFFにしてTUNEで送信しコイルパックを各バンド毎に調整を行った。
ほとんどズレテはいなかった。

前に作ったツートンジェネレータを使って送信波形を測定したが、特に問題なし。
測定はダミーロードの前にT型分岐コネクタを使って波形を観測した。
【送信信号 7MHz帯】

一応全部調整を完了してしまった。

次は何に手を加えようかな?



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